『至上の友』

風邪っぴきの食事
砂を噛んだような
友は遊び行った 見舞い来ることもなく
ベランダに日が差す
街角の道ゆく
みんな何処へ行くの 見下ろすだけがすべてだ

頭上にいる俺を誰も見上げてくれない
人は前ばかり見てる

こばめぬ高い熱出し むなしくて地上で一人
つらいよ愛情欲しい 今誰かの顔が見たい

顔の上の冷えピタ
飲みかけのジュース
みんな俺が準備 誰もやってくれないから

したたる汗を拭いて 水枕を出して
俺は氷ばかり詰める

つんのめりもつれる足と 押し殺す無常の泪
冷たい床に口付け 一人では笑えない

鳥肌 急に立って 寒気 身体襲って
床で凍えながら眠る

布団越しの気配
おいしそうなにおい
見慣れた人の背が見返り「起きたの」と

「おまえさ高い熱なら教えろよすぐ来たのに」
津軽の土産のりんご差し出され 俺は咳き込む